かなまら祭



かなまら祭は、江戸時代に川崎宿の飯盛女達が性病除けや商売繁盛の願掛けを行った「地べた祭」に端を発する。金山神社は明治以降寂れてしまっていたが、昭和40年代くらいから性信仰が残る神社としてにわかに外国の民俗学者たちから注目されるようになる。これを受け1977年に新たに金山神社の信者組織として「かなまら講」が結成された。それまで祭事は氏子たちによって細々と行われ午前中で終わるようなものであったが、この年からかなまら講が参加して「かなまら祭」が催され、その一部として江戸時代の「地べた祭」も再現されるようになった。以降男根神輿や仮装行列、大根削りなどオリジナルアイデアによる新しい祭事を取り入れつつ年々祭は盛大に開催されるようになった。当初は好事家の祭か外国人観光者の穴場観光スポットとして知られる程度であったが、昭和60年代頃からエイズ除けを祭に結びつけたのが話題となり、多数の観光客が訪れるようになった。現在祭は商売繁盛・子孫繁栄(子授け)・安産・縁結び・夫婦和合などを願い、毎年4月第1日曜日に行われている。 

神輿の行列は、「金棒 - 若宮祭祀舞 - 道中奉行 - 川崎古式消防記念会 - 大麻 - 塩撒き - 猿田彦(天狗) - 神官 - 御神酒(振る舞い酒) - 総代 - 来賓 - 参加者 - かなまら講 - かなまら舟神輿 - エリザベス神輿 - かなまら大神輿」の順となる。行列中の一般参加者は仮装しており、和服を来て帯刀した観光客も多い。

 神輿以外にも、神社境内には多数の男根・女陰を模った物事が見られる。大根を削って作る男根形・女陰形は祭事の一環として神前に供えられる。また、男根や女陰の形をした餅や飴細工などが売られている。

  神輿

かなまら祭では、「かなまら舟神輿」・「エリザベス神輿」・「かなまら大神輿」の3基の神輿が巡幸する。

 
かなまら舟神輿

台部が舟型で屋根が付いた神輿。内部に黒光りする鉄製の男根が上向きに納められている。日立造船より寄贈されたものである。

エリザベス神輿

台部に巨大なピンク色の男根の張形が上向きに載せられた神輿。屋根はない。この神輿は浅草橋の女装クラブ「エリザベス会館」から寄贈されたものである。他の2基の神輿は担ぎ手が地元の氏子中心であるのに対し、担ぎ手はエリザベス会館の女装者が中心であり、「かなまら!でっかいまら!」という独特の掛け声とともに巡幸する。

かなまら大神輿

台部が正方形で屋根が付いた神輿。内部に木製の男根が上向きに納められている。3基の神輿の中で最も古い。